超小型モビリティ ホンダMC-β の試乗体験@AEON浦和美園
当店の取り扱いカテゴリーの中に、「モビリティ」というキーワードがあります。
そもそも、このモビリティというモノ、どんなモノなのか?
実は厳格な定義はありません。
電気で動く乗り物 という定義は間違いではないと思いますが、スマートハートではもう少し追い込んで、「安心・安全な乗り物」というイメージを持っています。
例えば、3輪や4輪であれば、バランスを崩して転ぶ確率はひじょーに低い乗り物となります。
例え2輪でも、自転車のよーなペダルが付いていれば、バッテリーが切れてもこいで帰って来るコトが出来ます。
こーした安全と安心感を持つ乗り物を「モビリティ」という使い方をしています。
ただし、自動車規格としての、「小型モビリティ」、「超小型モビリティ」は、まったく違う次元のお話しになります。
しょーじき、国交省の推奨するこの呼称、「超」とか付けるのはどーかと思う。
超小型 ってイメージ、すんげーちーこいでしょ?
今回試乗体験した、ホンダのMC-βですが、現状、軽自動車枠で特区での走行しか許されておりません。
この乗り物に対して、超小型 というイメージは湧きません。
小型モビリティ ぐらいなもんでしょう。
超小型モビリティは、ミニカークラスのコトになると勘違いするユーザーは、たくさん居ると思います。
まず、呼称は、しっかりとイメージ出来るモノにしないと、まして大きさを決めるキーワードは、それこそマーケティングする要素ですね。
つまり、まだ、その超小型モビリティ枠がしっかりと決まっていないコトから、ホンダならば、関東ではさいたま市しか走れない。
日産のチョイモビならば、神奈川しか走れない。
地域限定なわけです。
ま、むずかしーコトは、さておき、このMC-βの試乗体験を少しご紹介してみよう。
ただ、天気の良い土曜日だというのに、AEON浦和美園店でも、大して並ばずに乗れちゃうのは、乗り物人気がかなり低下しているのは、大いに感じるトコロだ。
ドアノブや内装など、まさに軽自動車と同等の品質。
内装がしっかりとあるのは、やはり、大手自動車メーカーならではの安心感だ。
経年劣化や経たりなどはまったく問題のないレベルで作られているのは、変な心配が不要で、例え100万円以上だとしても、しっかりとユーザーがそこに居るのは容易に想像出来る。
ひと通り説明を受け、走り出すと、「ミヤぁ~~~」と鳴いてる。
静かで危ないので、わざと音を出す機能。
こーゆートコロ、ちゃんと、ユーザーの意見を反映させているというのはすばらしー。
窓はあってはイケないのだが、国交省と交渉し、ビニール製のジッパーでの簡易窓が付いている。
ま、しょーじき閉め切ると透明度が無くなり、危ないとの意見も出るかと思う。
走りだした感覚は、まさに自動車。
しっかりとロードノイズなども防音されているし、トヨタのミニカー、コムスなどに比べても、ワンランク上のグレードというのはうなずける。
ハンドリングは、さすがに駐車場での試乗なので、スピードを出して減速してからどーか というのはわからないが、この速度だと、言ってるほど小回りは利かない印象だ。
数値的にも、最小回転3.3mって、さほど小回りが利くわけでもない。
イメージとして、3m道路で余裕でUターン出来るぐらいじゃないと、「超小型」なんて呼び方はおかしーのでは?と思う。
また、視界の悪さが目立つ。
切り返しもさせて貰ったが、死角も多いし、前述したよーに小回りも利かない。
全長2495mmと言ったら、軽自動車に比べ、約1mも短いはずなのに、さほど前後の感覚が一瞬で把握できないのは、デザインのせいもあるのか。
もう少し、違和感のあるぐらいグイングイン曲がってくれないと、よくわからない乗り物になってしまうよーな気がする。
まして、この駐車場での試乗コースを、軽自動車でやっても回り切れると思うし、試乗を終えた時に、ちーこい乗り物に乗った印象が強烈に残っていないのも切ない。
そーして感じた印象を相対的に考えて、まったく中途半端な乗り物なんだなー と思った。
まず、使用用途がイメージ出来ない。
過密の東京での使用か?
駐車スペースは軽自動車を乗っている場合と変わらない。
どんなにちーこい乗り物であっても、駐禁を切られる乗り物であれば、行った先で邪魔になるのは必須。
物理的に置ける置けないは別の話しだ。
駐禁が免除にならなければ、デメリットもある超小型に乗る意味を見い出せない方は多く居るのではないかと思う。
どーせ乗用車一台分の駐車料金を取られるならば、わざわざ2人乗りじゃなく、4人乗りがイイでしょ?となる。
つまり、同じ渋滞にハマるならば、自分の空間が広いほーが得でしょ?ってコトだ。
じゃあ、駐車スペースを考える必要性のない埼玉や神奈川、千葉などの近郊での利用か?
17号パイパスや122号、16号などを、こいつで走れる勇気があるか?
カマ掘られたら、死亡の確率が高い。
軽自動車でも怖いと思うぐらいなのに、後ろに大切な人を乗せて幹線道路を走行するコトは出来るのか。
では、ショッピングや駅までの利用か?
この試乗体験しているAEONの駐車場だが、ぐるーっと出口や駐車スペースを探すだけでも、5kmぐらいすぐに走ってしまうほど、広い。
航続距離を考えなければならない2人乗り物と4人は乗れるアイドリングストップをする軽自動車と、どちらをユーザーは選ぶのか?
考えれば考えるほど、使用用途が浮かばない。
もちろん、みんながみんな、この超小型モビリティに乗ってくれれば、用地の確保や充電意識が高まるので、我々EV業界にとって追い風なのだが、今はイメージ出来ないのが現状だ。
普及させるには、広報や販売網などの枠組みも大切だが、超小型ゆえに優遇される何かが無ければ、新しいモノを買う意味のないモノとなってしまう。
これは、電動バイクもしかりだ。
こー言った普及させなければならない乗り物に対してでも、ユーザーは、消極的だ。
今どき、乗り物なんて腐るほどある、かつ、リスクが伴う乗り物。
法的に、税的に、社会的に、優遇処置というモノが絶対に必要なのだ。
そうしたインフラはいつ、どのよーに、誰が整えるのか?課題はてんこ盛りかと思う。
今回の記事はどぉ~でした?
今回の試乗体験データ
場所:AEON浦和美園店駐車場
乗り物:超小型モビリティ ホンダ・MC-β
Tag: ホンダ HONDA MC-β 超小型モビリティ 電気自動車 実証実験
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